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ヤバいワイン会【一次会】

2024年07月20日(土)

都内レンタルスペース

共同開催

白ワイン/泡

-NV-
ビルカール・サルモン ブリュット
ブラン・ド・ブラン
<シャンパーニュ>
【 ビルカール・サルモン 】

-2016-
チンチーリャ・クロエ
シャルドネ
<スペイン>
【 ドナ・フェリサ 】

-1998-
シャブリ 1er Cru
<ブルゴーニュ>
【 メゾン・シャンピー 】

-2000-
シャトー・ド・ロスピタル
グラーヴ
<ボルドー>
【 CH.De L'HOSPITAL 】

-1992-
ブルゴーニュ・アリゴテ
<ブルゴーニュ>
【 Neg レオン・シューヴェ 】

-2017-
レッド・ミルレンニューム 辛口
<新潟県/上越市>
【 岩の原葡萄園 】

-2014?-
エクセレンス・シャルドネ
<ベトナム>
【 Vang Dalat 】
赤ワイン

-1998-
ポマール
<ブルゴーニュ>
【 メゾン・シャンピー 】

-2001-
エイドリアン・フォッグ
ピノ・ノワール
<カリフォルニア>
【 サヴォイ・ヴィンヤード 】

-1979-
シャトー・ブリヤン
<山梨県/甲府市>
【 サドヤ 】

◆会の感想◆

~かなり貴重な体験ができました~

1月の持ち寄り会で話題になった
怖くて開けられないワインを持ち寄って
ワイン会を開催しました。

思ったよりも好評で思いの他参加者が
多かったのですが、直前になって数名の
方がコロナ感染等の都合によりキャンセルに
なってしまい波乱の予兆を感じました…

とても飲食店で開催できる企画ではないので
コロナ禍の時にワイン会の会場としてよく
利用していた都内のレンタルスペースを選択。
開催の3週間前から食材や食器などの調達を
始めて万全体制でいざ会に臨みました。


◆NV ピカール・サルモン・ブリュット◆
企画との整合性【★★】

提供者曰く某ネットオークションで2本組を
落札したそうですが、1本飲んでみたところ
あまりの味わいに2本目には
手が出なかったとのこと。

購入先に確認したところ
室内常温保管熟成5年物だそうです…

いざ飲んでみると、
泡立ちも弱く強い酸化のニュアンスを感じ
余韻に多少の苦みも感じました。
熟成シャンパンの様な味わいで飲めなくはない
のですが、不快な苦みやエグ味を感じたので、
常温熟成5年の効果ではないかと妙に納得して
しまいました。


◆'16 チンチーリャ・クロエ◆
企画との整合性【★★】

提供者曰く数年前に知り合いに勧められて
複数本購入したそうですが、1本目を飲んで
みたところあまりの味わいに2本目には
手が出なかった……

味わいは非常に弱々しくフレッシュさも無く
余韻に感じるザラついた違和感がこのワインの
特徴をよく表していました。

購入後の保管状態は良好との事だったので、
輸入時もしくは販売までの保管状況に
難があったのではと推測します。


◆'98 シャブリ 1er Cru ◆
企画との整合性【★】

某大手百貨店の贈答セットで有名な銘柄で
ネットオークションで後に出すポマールと
一緒に出ていた物を私が落札しました。

同じ銘柄を何度か落札しており、
程好く熟成して美味しく飲める物が多かった
のですが、このワインに関しては一見して
保管状況に難が見られたため長らく
セラー内で肥やしになっていました…

いざ飲んでみるとシャブリ特有の硬いミネラル
を強く感じながらも熟成によるまろやかな
深味が心地よく、いけるかと思いましたが
最後の余韻に不快な酸化臭が大きく顔を
覗かせてきました…

シャブリは特有の味わいが強いワインなので
そのお陰である程度は飲める仕上がりになって
いましたが、やはり劣悪な保管状況に由来する
熱劣化の洗礼は隠し切れませんでした。


◆'00シャトー・ド・ロスピタル◆
企画との整合性【★】

数年前私がネットオークションで格安で落札
した物ですが、ソーテルヌに匹敵する様な
強い飴色に一抹の不安を感じセラーの肥やし
になっていた銘柄です…

飲んでみると熟成に由来する旨味を最初に
少し感じましたが、その後に襲ってくる
不快な苦みやエグ未味が全てを打ち消して
しまいました…

本来なら★★は付けたかったのですが
会の終わりに残った物を少し飲んでみると
旨味が更に増しており不快なニュアンスは
大分無くなっていました。
この手のワインでもやはり飲むタイミングが
重要であることを確認させて貰いました。


◆'92 ブルゴーニュ・アリゴテ◆
企画との整合性【★★★】

提供者曰くかなり昔に買ったよく知らない
ネゴシアン物のアリゴテで飲む機会を逸して
いたそうです。

ピークを過ぎた枯れた味わいに
スカスカになった厚みの無い酒質…
これは保管不良というより当の昔に寿命を
終えたワインの亡骸であることがグラスから
十二分に伝わってきました。

私もさすがに2杯目を注ぐ気にはならな
かったため★★★にさせて頂きました。


◆'17レッド・ミルレンニューム◆
企画との整合性【---】

今回は各自がワインを当日持ち込む会のため
遅れてきた参加者のワインがこのタイミングで
提供されました。何方のワインなのかは
分かる方にはわかるかと思います(笑)

提供者曰く自宅に放置してあったワインで
購入から時間が経っており中々開ける気に
ならなかったそうです。

いざ飲んでみると全員から溜息が出ました
「やっとまともなワインが出た」と…

マスカット系の品種なので爽やかな果実味と
フレッシュ感がとても美味しく、それまでの
淀んだ味わいを一気に流し去ってくれました。

会の趣旨とは違いますがやはり途中休憩は
必用であると少し反省する機会となりました。


◆'14? エクセレンス・シャルドネ◆
企画との整合性【★★★】

現地購入したワインで同じく買った赤が
かなり良くなかったため開けられなかった
ワインだそうです…

ヴィンテージの記載が無かったため
裏ラベルに小さく載っていた年号を
ヴィンテージとして書かせて貰いました。

一口飲んでみたところで二口目には行けず
そのまま吐器に飲ませてしまいました。
会の終わりになっても2/3程度が瓶内に
残っていた事が全てを物語っていると
思います…

圧倒的なポテンシャルで★★★に認定です。
まさにエクセレンス(笑)


◆'98 ポマール◆
企画との整合性【★★】

先に出したシャブリ1er Cruとセットで
贈答用に売られて一般家庭で長期常温保存
されていたと思われるワインです。

ポマールは元々長期熟成向けのワインなため
ある程度はダメージに強くシャブリがダメでも
こちらはある程度は飲めるのではと淡い期待を
持っていました。

いざ飲んでみると、香りの立ち具合は弱く
ワインの骨格もとても華奢で私が持っている
ポマールのイメージとはかなりかけ離れている
とても貧弱なワインでした…

以前飲んだ同じ作り手の2007年ボーヌ1er Cruは
とても美味しいワインだったので作り手の問題
ではなく、ヴィンテージも悪い年ではないため
保管状況かも知れませんが、ただ熱劣化の跡も
さほど感じなかったため、ひょっとしたら
元々貧弱なワインだったのかも知れません。


◆'01 エイドリアン・フォッグ◆
企画との整合性★★★

数年前に2本セットで落札したワインですが、
1本目を飲んでみたところあまりの味わいに
2本目は……

2005年のヴィンテージを当時何本か飲んで
DRC様な果実の凝縮味を感じ非常に驚かされた
銘柄でしたが、その後日本への出荷が無くなり
飲めなくなってしまいました。

昨年偶然にも2005年を入手出来たので
ワイン会で飲んだのですが、当時の様な
果実味は無く甘みを強く感じるワインに
なっていた事に再び驚かされたことを
覚えています。

今回ダメージワインとして開けてみましたが、
グラスに注いだその色調はよく言えば
「コーヒー」悪く言えば「泥水」で
それを見た参加者から思わず悲鳴が出て
しまった事は忘れられない苦い思い出と
なりました…

味わいは枯れたピノ・ノワールのワインに
砂糖を加えた様な甘みがあり、
とてもチグハグなバランスのワインでした。

会の終わりに少し飲んでみましたが、
温度が上がった影響でより甘みの強い
味わいになってり、やはりこのワインは
甘みが生きるフレッシュな果実味がある
若い時に飲むべきワインだという結論に
至りました。

味わいよりもその見た目が強烈だったため
★★★に認定します。


◆'79 シャトー・ブリヤン◆
企画との整合性【---】

提供者曰く直営店で購入したが国産古酒に
対して不安感があり飲むのを躊躇していた
そうです。

いざ飲んでみるとボルドー古酒の様な
熟成したニュアンスで非常に美味しい
ワインである事が分かりました。

私も国産の古酒には抵抗感を感じて
いましたが、このワインは素直にその
美味しさを実感できる銘柄なので
少なからず感動してしまいました。

最後の最後で希望を持てるワインに
出合えたことで会の締めには申し分の無い
ワインとなりました。



【 会を終えての感想 】

思い付きの企画で開催した会でしたが、
ヤバいワインを連続して味わうことにより
保管不良や熱劣化がワインに与える悪影響に
ついて、実際に舌を通じて感じる事が出来て
とても勉強になりました。

美味しいワインを飲む会はよくありますが、
その逆をする事によりワインに対する理解を
更に深める事が出来た今回の企画は何よりも
得難い貴重な経験となりました。

共同で会を企画しましたW氏、
一次会のみという罰ゲーム的な参加にも
関わらず事前準備に協力頂いたA氏、
会の開催に賛同頂いた参加者全てに
この場を借りまして改めて
お礼申し上げます。

二次会の内容は次項のレビューで
お伝えさせて頂きます。

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