名前のないワイン会
~このワインを受け入れ共に飲もう名前のないワイン会で~
2022/07/01 開設

白ワイン/泡
-2019-
ピュリニー・モンラッシェ
1er Cru シャン・ガン
1500ml
【 Domaine Pernot Belicard 】
-2015-
コルトン・シャルルマーニュ
Grand Cru
1500ml
【 RENÉ LEQUIN-CLIN 】
赤ワイン
-2017-
シャンボール・ミュジニー
1er Cru レ・ヒュッセ VV
【 Boursot Pére & Fils 】
-2016-
エシェゾ―
Grand Cru
【 Domaine Michelet-Bissey 】
-2009-
クロ・サン・ドニ
Grand Cru
【 DOMAINE BERTAGNA 】
-2002-
クロ・ド・ヴージョ
Grand Cru
【 Yvonnick Debray 】
-2001-
グリオット・シャンベルタン
Grand Cru
【 DOMAINE PONSOT 】
-1987-
ヴォーヌ・ロマネ
クロ・パラントゥー
【 Henri Jayer 】
◆会の感想◆
~ 少しやり過ぎでした… ~
10月は私と共同開催者の誕生日なので
毎年プレミアムなワイン会を開いていますが、
今や文字通り伝説のワインとなってしまった
アンリ・ジャイエのクロ・パラントゥー会を
ついに開催しました。
参加人数が11名になったため、
当初はマグナム主体の会を考えていましたが
10名に減ったのでグラン・クリュを中心に
した豪華な内容に変更となりました。
結果的に見るとワインリストはやり過ぎ
だったかもしれないと少し反省しています…
色々と思い入れのあるワインのため
それらを書くとここの文量が多くなると考え
そちらはブログに書き、ここはワインの感想
だけを書くことにします。
この会を開催するに当たって一番気を使った
事は、今や500万円超になったワインを
1週間前にお店に預けて大丈夫なのかと
いう点でした。
対策としてHPにはダミーのワイン会を
UPして外部には極力開催を伝えず
預ける時は桐の箱に入れてテープで封をし
開けたら分かる印をテープに記入しました。
当日お店に行き預けた箱の状態を見て
無事を確認した時は正直ほっとしましたが
紙に巻いて預けたロマネ・コンティが
剥き身でセラーに置かれていたあの衝撃が
良い糧となりました…
◇ '19 ピュリニー・モンラッシェ ◇
◇ 1er Cru シャン・ガン ◇
昨年の春に現地のお店で購入した物です。
コルクを抜いた時から溢れんばかりの芳香が
周りに立ち込めたのでこれはいけると確信
しましたが、口にしてみると言葉を忘れる程の
圧倒的な味わいであちこちで「美味しい!」
との言葉が飛び交っていました。
現地購入/ハンドキャリー/セラー保管/に
由来する効果は絶大で、まさにドメーヌで試飲
するのと遜色のないクオリティでした。
普通のワイン会では間違いなくメインになる
素晴らしいワインでした。
◇ '15 コルトン・シャルルマーニュ ◇
◇ Grand Cru ◇
2018年に現地のお店で購入しました。
開けた時はあまり香りは立ちませんでしたが
この銘柄は開くのに時間がかかると経験的に
知っていたので、しばらく時間を置いてから
飲むように説明しました。
時間経過とともに完熟した果物の様な
濃厚な香りと深みのある味わいに変化して
またしても「美味しい!」という言葉が
飛び交いました。
上品で洗練された味わいのモンラッシェ系と
ボリューム感のあるコルトン系の白ワインの
違いを明確に感じることが出来たので
とても勉強になりました。
白ワイン好きにはたまらない比較試飲でした。
◆ '87 ヴォーヌ・ロマネ ◆
◆ クロ・パラントゥー ◆
美味しさを十分に理解してもらう為に、
この段階でメインのワインを開けました。
予想通りコルクはかなり劣化しており
最終的には「茶こし」の出番となりましたが
デキャンタによりコルクと滓を完全に取り除き
クリーンな状態の酒質を確保する事が出来ました。
時間経過による目減りと滓の分を考え
1人当たり65mlを目安にグラスに注ぎ
いざ飲んでみました。
腐葉土を連想させる古酒の香りから枯れたワインで
あると予想していましたが、口に含むと香りからは
連想できない果実味と熟成に由来する複雑ながらも
まろやかな味わいが広がり記憶の片隅に寝ていた
ジャイエのワインの味が蘇りました。
完熟した葡萄に由来するタンニンと果実味、
選果による雑味の無いクリアな酒質、
低温浸漬の抽出による深みのある味わい、
20数年振りに飲むアンリ・ジャイエの
ワインがまさにここにありました。
時間経過と共に甘味も出始めてワインが
若返りした印象さえ受けてしまいましたが、
抜栓から3時間を経過した段階でも
まだ酸化せずに芳香が漂っていたので
改めてジャイエのワインの凄さを感じました。
彼のワインともこれでお別れですが、
最後にまたこの味に出合えた事に対して
当時これを買った自分に
「ありがとう」と伝えたいです。
これまでのワインで正直お腹いっぱいの感は
ありましたが、ジャイエのワインが今イチの
場合を想定して用意していた豪華なワインが
ここから襲い掛かってきました・・・・
◆ '17 シャンボール・ミュジニー ◆
◆ 1er Cru レ・ヒュッセ VV ◆
2022年に産地のドメーヌを訪問して購入した
最後の1本です。
この作り手はクラシカルな造りで早飲みには
向いていないですが、8年経過したこのワインは
丁度飲み頃になっており、しっとりとした
口当たりとやや濃いめの柔らかいタンニンを
感じるシャンボールらしい大変美味しい
ワインでした。
◆ '16 エシェゾー ◆
◆ Grand Cru ◆
昨年秋に現地のお店でこのワインを買おうか
悩んでいるとお店のマダムから
「このワインは旦那が造っているのよ」と
聞かされ思わず買ってしまったワインです。
日本では出回っていない造り手ですが、
名前から見てデゾネイ・ビセーの親類と
思われます。
評価が今一つのデゾネイとは異なり、
このワインはエシェゾ―らしい
エレガントで旨味を感じる果実味が
大変美味しいワインでした。
値段もお手頃だったので再訪時には
また購入しようと思います。
◆ '09 クロ・サン・ドニ ◆
◆ Grand Cru◆
国内の某オークションで落札した物です。
裏ラベルが無く海外購入品と思われ
入手時から結露によるラベルの皺が顕著でしたが、
冷温管理していた証と考え状態は良いと判断し
今回リストに加えました。
味わいはモレらしいしっかりとした骨格のある
ワインでしたが、強過ぎるという感じはせず
グランクリュに相応しい上品さと力強さを
併せ持ったこちらも大変美味しいワインでした。
◆ '02 クロ・ド・ヴージョ ◆
◆ Grand Cru◆
国内で購入した物です。
見た事の無い作り手と手ごろな価格に
ついつい手が出てしまいました。
少しジビエ香のする熟成の進んだワインでしたが
思いの外濃厚な味わいに少し驚かされました。
クロ.ド.ヴージョは産地が広く色々な銘柄が
ありますが、そのため当たり外れが頻繁に
発生する悩ましい産地でもあります。
産地の特徴である力強い味わいを持ったものは
ごく稀ですが、このワインはそれに当たり
久し振りにクロ.ド.ヴージョらしい美味しい
ワインを飲む事が出来たと一人心の中で
喜んでいました。
◆ '01 グリオット・シャンベルタン ◆
◆ Grand Cru◆
2005年に現地でグランクリュを大量購入した
際に手に入れた物です。
もうこれ以外では数本しか手元に残っていません…
ポンソはクロ.ド.ラ.ロッシュが有名ですが
私はこちらのグリオットの方が好みで
当時は良く飲んでいました。
手頃に買える値段ではなくなってしまったので
最近はご無沙汰していましたが、
久し振りの対面となりました。
角がとれて丸くなった味わいは先に飲んだ
クロ.サン.ドニやクロ.ド.ヴージョと対象的でしたが
澄んだ液体の中に溶け込んだ赤い果実の香りと
優しく口に浸み込んでくる円熟の味わいは
大変素晴らしく、久し振りの対面を楽しませて
貰いました。
ただ、クロ・パラントゥーと少し被っており
軍配は残念ですがそちらに上がりました…
《 会を終えての感想 》
30年近く所有していたアンリ・ジャイエのワインを
飲む事によって私のワイン人生も一つの区切りが
着いたと感慨深い思いが会の後に湧いてきました。
この間に一緒に飲んだ様々な方の思い出や
味わってきた数々のワインが瞼を閉じると
浮かび上がってきます。
もう味わえないワインもありますが
まだ見ない美味しいワインを求めてこれからも
色々な方や様々な場所を巡って経験を積もうと
新たに決意しましたので、
よろしければお付き合い願います。
今回も沢山の方にお集まり頂き
ありがとうございました。
暑い時期を抜けて解禁されたコート.ド.ニュイの
赤ワインがこの様な内容で少し食傷気味かも
知れませんが(笑)、来月はコート.ド.ボーヌの
赤ワインがメインなのでそちらで少し
お休み下さい。